通常のインプラント(全顎を治療する場合)
失った歯の本数に応じてインプラントを入れるため、多い場合は片顎で10本以上が必要になります。体への負担を考えて、手術を複数回に分けることが多く、骨造成が必要になるケースも少なくありません。仮歯が入るまでに「歯がない期間」が生じることもあります。固定式で、天然歯に近い噛み心地が得られます。
オールオン4
片顎4本(骨の状態により5〜6本)のインプラントで歯列全体を支えます。手術は原則1回で、骨造成を避けられる場合があります。条件が合えば手術当日〜早期に固定式の仮歯を装着できるため、「歯がない期間」をほとんどつくらずに済みます。固定式で、天然歯に近い噛み心地が得られます。
総入れ歯
手術が不要で、保険診療・自費診療のどちらでも作ることができます。一方で取り外し式のため、ズレや痛み、噛みにくさ、話しにくさが出やすいのが難点です。
※通常のインプラントとオールオン4は、いずれも保険が適用されない自由診療です。治療期間や内容は、お口の状態によって大きく異なります。
オールオン4が向いている方

◆ 総入れ歯が合わない方
「噛みにくい」「外れやすい」「歯ぐきが痛い」「話しにくい」といった入れ歯の悩みを軽減しやすい治療です。
◆ 歯を多く失っている方・残っている歯の状態が悪い方
重い虫歯や歯周病で残せる歯が少ない場合、1本ずつ治療を繰り返すより、噛み合わせ全体を作り直した方が長く安定することがあります。
◆ 「骨が少ない」と言われたことがある方
骨の厚い部分を活用するため、骨造成をせずに治療できる可能性があります。(すべての方が骨造成不要になるわけではありません)
◆ 通院回数や治療期間を抑えたい方
手術は原則1回で、条件が合えば当日に仮歯が入ります。
◆ 見た目を早く改善したい方
「歯がない期間」をできるだけ短くしたい方にも向いています。
オールオン4のメリット
メリット① 手術が原則1回で済む
全顎に1本ずつインプラントを入れる場合、体への負担を考えて手術を2〜3回に分けるのが一般的です。オールオン4は少ない本数で歯列全体を支えるため、原則1回の手術で進められます。
メリット② 手術当日から仮歯で過ごせる場合がある
条件が整えば、抜歯・インプラント埋入・固定式の仮歯の装着までを1日で行えます。今お使いの歯や入れ歯は手術当日まで使えるため、「歯がない状態」で過ごす期間がほとんどありません。
メリット③ 骨造成を避けられる可能性がある
骨造成には数十万円程度の追加費用と、数か月単位の治療期間がかかることがあります。これが不要になれば、費用と期間の両方を抑えやすくなります。
メリット④ 総合的な費用を抑えやすい
歯の状態が大きく悪化している場合、インプラント・矯正・歯周外科・セラミック治療などを組み合わせた総合治療が必要になることがあります。治療期間が数年に及び、費用が高額になることも少なくありません。オールオン4は、1回の手術で歯列全体の改善を目指せるため、トータルの負担を抑えられる場合があります。
メリット⑤ しっかり噛めて、見た目も自然
インプラントで固定されるため安定感があり、入れ歯より噛みやすくなります。人工歯の色や形は一人ひとりに合わせて調整するので、自然な口元を目指せます。
メリット⑥ 毎日の取り外しが不要
入れ歯のような着脱の手間がなく、自分の歯に近い感覚で過ごせます。
長持ちするかどうかは「設計」と「噛み合わせ」で決まる
近年、「治療後しばらくして見た目が悪くなってきた」「噛み合わせに違和感がある」「歯ぐきが下がってインプラントが見えてきた」「うまく噛めない」といったご相談を受けることがあります。
なぜこうしたことが起こるのか、家づくりに例えてご説明します。オールオン4を家に置き換えると、次のようになります。
・顎の骨 = 地盤
・インプラント = 柱
・人工歯 = 建物
家は見た目を整えるだけでは長持ちしません。地盤の強さを調べ、柱をどこに立てるか、力をどう逃がすかという構造設計があって、はじめて何十年も住める家になります。
オールオン4も同じです。限られた本数のインプラントで片顎全体を支えるため、どこに・どの角度で・どの深さにインプラントを入れるかが、仕上がりと寿命を大きく左右します。
柱の位置がずれると家がゆがむのと同じで、設計が不十分だと、一部のインプラントや骨、歯ぐきに負担が集中してしまいます。
もうひとつ大切なのが噛み合わせ(咬合)です。
家が完成後も風や地震、雪の重みを受け続けるように、お口の中にも毎日の食事や歯ぎしり、食いしばりによる力がかかり続けます。
この力をうまく分散できる噛み合わせになっていないと、年月とともにインプラントや人工歯、顎の骨に負担が蓄積していきます。
治療直後の見た目だけでなく、10年後、20年後も安定して噛めるか。オールオン4では、そこまで見据えた設計が欠かせません。
人工歯の素材による違い